フロー状態を起こすには
フロー状態とは
フロー状態というのは、すごく集中しているのだけれどもリラックスしているという、不思議な状態のことを言います。ゾーンとも呼ばれます。
スポーツでのフロー状態
たとえば、スポーツをやっている人にお話を聞くと、フロー状態に入っている時は、観客が「わーっ」と応援をしてくれていたり、ヤジを飛ばしていたりするのですが、そういう音は全然耳に入ってこないそうです。
けれども、コーチがアドバイスをくれる時は、ちゃんと耳に入ってくるという、不思議な状態がつくられています。
すごく集中している時は、自分に直接関係ないものは耳に入ってこないし、視覚情報とすれば、必要なところにスポットライトが当たっているような形で見えるのだと思います。
そうすると、自分が何をすればいいのかというのが明確になり、集中状態なので、サクサク行動が進んでいきます。
自分が一体化する感覚
普通、集中し過ぎると気疲れしたみたいな状態になるのですが、フロー状態になると、リラックスもしているので、軽やかに物事が進んでいって、自分がやっているもの、目の前にあるものと自分が一体化してきます。
たとえば芸術作品だと分かりやすいのですが、芸術作品と自分が一体化している状態になるのと併せて、周りの環境とも調和している、心地よい状態がつくられるといわれています。
フロー状態に入る脳のスイッチ
脳を大まかに3つの部分に分けると、大脳があり、小脳が後頭部のほうにあり、下に脳幹という脊髄につながるところがあります。フロー状態に入るスイッチは、脳幹にあるということが最近の研究で分かってきました。
脳幹は、無意識状態の部分です。フロー状態に入るかどうかというのは「よし、これからフロー状態に入るぞ」と、自分で切り替えができるのではなく、無意識領域にスイッチがあるので、準備を整えている間に自然に入っていくものなのです。
ルーティーンの効用
以前、ラグビーで五郎丸選手という人がいました。彼がキックをするときに必ず人差し指を合わせて、お祈りのようなルーティーンをやっていました。自分特有の儀式みたいな感じです。
トップアスリートは自分なりのルーティーンや儀式というものを持っていて、フロー状態に入っていきやすいようにしているそうです。
みなさんも、楽しみながら自分なりのフロー状態に入るルーティンや儀式を考えてみましょう。
音楽を聴いてみる、運動を取り入れてみる、フロー状態になった自分に気づいた時、最初に何をやってみたか振り返ってみてください。ルーティンや儀式は、自分で探し、つくっていく必要があるのです。