「普遍的感謝」が脳を活性化する

「普遍的感謝」が脳を活性化する

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企業研修で「感謝」と言われても、ピンと来ない方も少なくないかもしれません。
京セラ創業者で名誉会長の稲盛和夫氏は「生きていることに感謝する」ということを言われています。

なぜ企業経営に「生きていることに感謝する」ようなことが大切なのか?

米国・カリフォルニア大学リバーサイド校、アルメンタ博士らは、感謝を「恩恵的感謝」と「普遍的感謝」次の2種類に分け、それらがもたらすものを明らかにしています。  自分がいいと思えることに感謝するという「恩恵的感謝」だけをしていると、エゴが強くなり、次第に気持ちが暗くなり、長期的には鬱傾向を強くするという結果が出ています。恩恵的感謝だけの人は、何か良いことがないと感謝できないので、自分の調子が良くないときや何かつらいことが起きたときなどにはとくに、気持ちが沈んでしまうのです。 一方、恩恵的感謝も含む「普遍的な感謝」は成長意欲が増大し、心のエネルギーが強くなってくるので、困難に立ち向かう勇気が持てるようになるのです。  

感謝することは脳を活性化しますが、このことを示したのが韓国、ヨンセ大学のキョン博士らの研究です。 被験者に「感謝のワーク」を行ってもらい、そのときの脳の状態を調べました。 感謝しているときには、脳内で複数の領域がプラスに繫がり、活動が活発化します。 一方、怒っているときには、繫がりが弱くなり、その領域の活動が低下してしまうこ とがわかったのです。 もう少し具体的に言うと、側坐核(大脳辺縁部に存在する神経細胞の集団)をベースにした機能的繫がりが中側頭回(側頭葉にある脳回のひとつ)で強くなり、一方で 被験者が怒りを感じたときには繫がりが弱くなりました。 またこの研究では、人生にとても幸せを感じている人(=自分の人生に感謝できている人)は、ネガティブな状況に陥ったときでも、前向きに脳を活性化できるという結果も出ています。 

シンガポール・シンガポール国立大学、ハータント博士らは、1054人の被験者 に協力してもらい、インターロイキン6の血中濃度と感謝についてのアンケートを取 りました。インターロイキン6とは身体が炎症を起こしているときにたくさん出るタンパク質で、炎症反応の指標としてもよく使われます。 その結果、何かとくに良いことがなくてもいつも感謝の気持ちを持っている人は、イ ンターロイキン6が低く保たれていることがわかりました。 身体が慢性的な炎症を起こしていると、寿命が短くなったり、不健康になったりします。 常に感謝の気持ちを持っている人は、身体の炎症が抑えられ、その指標となるイン ターロイキン6の血中濃度が低く抑えられるということがわかってきたのです。 またストレスは、免疫力を弱めるなど身体にリスクを与えますが、感謝はこれらのリスクを低減します。そして、大変な状況もプラスに捉え、自分の糧に転換しやすくしてくれます。 さらに、常に感謝の気持ちを表現する人は、高い免疫機能を獲得できることもわかっています。 他にも、いつも感謝をしている人は、困難なことに遭遇しても問題解決に早く行き つくことができ、大変な状況にも順応しやすく、鬱になりにくいといった結果も出ています。

つまり、脳科学をベースにした企業研修でも、企業経営でも「普遍的感謝」、あるいは、「生きていることに感謝する」と言い換えてもいいかもしれません、が欠かせないのは、脳科学的なエビデンスからもご理解いただけるのではないでしょうか?

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