共同体思考という進化した脳の使い方がチームを加速成長させる(脳科学に基づく研修の秘訣)

共同体思考という進化した脳の使い方がチームを加速成長させる(脳科学に基づく研修の秘訣)

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もくじ

脳は進化している

人間関係を築くときに非常に重要なのが、互いの脳の使い方です。 この「脳の使い方」というのは、顕在意識レベルだけでなく、無意識レベルでの脳の使い方、すなわち、自然な振る舞いも含まれています。 相手のことをどのように捉えるか、また相手と自分の関係をどう捉えるかによって、その相手との関係性は大きく変わってきます。

では、どのような脳の使い方をすれば、心がひとつになるような関係を築くことができるのでしょうか。

命をつなぐために身につけてきた「ネガティブバイアス」

過酷な環境の中、人類が生き延びていくためには、危険なものを察知する力が必要でした。猛獣や天災など身の回りの危険にいち早く気づかなければならなかったからです。脳は、危険を察知すると、「Fight or Flight状態」、略して「FF状態」になります。Fightは戦う、Flightは飛ぶ(飛んで逃げる)。それ以外の脳回路をシャットダウンして、戦うか、逃げるか、そのどちらかのためだけに脳を使うようになるのです。

命を守り、つなぐために身につけてきた「ネガティブバイアス」ですが、街を歩いていて猛獣に襲われるといった危険がなくなった現代社会の私たちの脳にも残っており、非常にやっかいなことを引き起こしています。

従来の脳の使い方「個分離思考」

ネガティブバイアスが強くなり、FF状態に入っている脳の使い方を「個分離思考」と呼んでいます。「個分離思考」の脳の使い方をしていると、相手と自分を個として分離して捉えます。このため、二元対立の関係を作りやすくなってしまいます。 たとえば「自分は正しいが、相手は間違っている」などのようにエゴが強くなり、相手のできていないところ、悪いところ、過去の原因に目がいくという特徴があります。

進化した脳の使い方「共同体思考」

「個分離思考」に対して、「共同体思考」という脳の使い方があります。これは「相手を仲間・同志、共同体の一員として受け止めている」脳の使い方です。上下関係、ライバル関係、 敵対関係などでなく、ヨコの関係である「仲間・同志」として見るのです。「共同体思考」の脳の使い方は、相手とともに目指す目的ができたとき、仲間として力を合わせようとするため、相手のできているところ、良いところ、可能性、未来のなりたい姿(理想・目的)に目がいくという特徴があります。

仲間と力を合わせることで絶滅を免れた我々ホモ・サピエンス

私たち人類は、ホモ・サピエンスと呼ばれていますが、進化する過程で、およそ20種類くらいの「人類」が存在していました。しかし、彼らはすべて滅んでしまい、ホモ・サピエンスだけが生き残りました。それは、我々ホモ・サピエンスが血縁関係を超えて仲間を作り、共同体として力を合わせることで社会性を身につけてきたからだと言われています。「共同体思考」の脳の使い方は、このような人類の進化の過程で出てきたものです。

脳の使い方でチームパフォーマンスが大きく違ってしまう

通常は無意識のうちに「個分離思考」の脳回路が動いてしまう場合がほとんどです。それは、歴史的に見ても、従来型の「個分離思考」の脳回路をたくさん使ってきたからです。繰り返し使われる脳回路は鍛えられ、無意識のうちに使うようになります。「個分離思考」が習慣化されているということです。

ところが、個分離思考の脳回路を使っていると、他者と対立関係を作るので、人間関係も悪化するばかりか、チームパフォーマンスを出すことができません。

個分離思考の組織

個分離思考の脳は「成長」が感じられない

個分離思考の脳は、他者だけでなく、自分自身に対しても、悪いところ・できていないところに目を向け続けるので「成長」が感じにくくなります。そのため、失敗したり他者から批判されたりすると、自分の能力を疑われているように思い、自信をなくしたrマイナスの気持ちになったりして、新しい挑戦をしなくなってしまいます。

個分離思考の脳は相手を責めたくなる

お客様からクレームが入ったとき、あなたの組織ではどんなことが起こりますか?「だれが担当したんだ?」「またお前か。何度言ったらわかるんだ」「だからお前はダメなんだ」のように、個人攻撃的になっている組織は、個分離思考が蔓延していると言ってもよいでしょう。自分と相手(他者)が分離しており、二元対立の関係になっています。

共同体思考の組織

失敗は成長するためのステップと捉える共同体思考

共同体思考の脳と、個分離思考の脳とでは、失敗したときの脳波に違いが出るという研究結果があります。共同体思考の脳の使い方は、ERNという脳波が大きくなっていることから、何かを学ぼうという気持ちが強くなることがわかっています。「失敗」という発想がなく、「この結果は次に活かせる」「次はどんな発見があるだろう」と、さらに成長するためのステップと捉えることができるのです。

共同体思考は同志として共に困難を乗り越える

お客様からクレームが入った例で考えると、共同体思考の脳は、「どうしたら解決できるか?」「そのために自分は何ができるか」というところにフォーカスして考えます。自分の能力を仲間のため、共同体のためにどう役立てられるか?という脳の使い方です。

共同体思考が強い組織が集合知性を発揮する

チームメンバー全員が共同体思考の脳の使い方になってくると、心をひとつにできる信頼関係で結ばれた人間関係が構築され、「集合知性」を発揮できるようになります。「集合知性」とは、個人では至らないような、天才知性にも勝る優れた力を発揮できる能力のことです。集合知性を発揮しているチームでは、一人一人の知性が平均的だとしても、天才を集めたチームを凌駕するパフォーマンスを発揮することができるのです。

利他の実践も脳の使い方で全く違うことが起こる

誰かのために、という利他の気持ち、思いやりの気持ちで行動すること、つまり、利他を実践することも「脳磨き」のひとつです。ところが、これについても、個分離思考と共同体思考の脳では、同じように利他を実践しても、全く違うことが起こってしまいます。

共同体思考での利他の実践

「共同体思考」で「利他」の実践をすると、自分と相手が共同体となっていますので、相手が喜ぶようなことをすると、自分も喜ぶ。相手の喜びが自分ごとのように感じられるのです。相手の悲しみも同様に自分の悲しみように感じられる。まさに「共同体」という脳の使い方です。利他をするときに、誰も「犠牲になった感」を感じる人はいません。小さくても、ひとつの利他がみんなを幸せにする脳の使い方です。

個分離思考での利他の実践

それに対して、「個分離思考」の脳の使い方では、相手と分離して対立関係を作るので、「利他」をしていると、誰かがだんだん辛くなってきます。対立関係の中では、相手が自分の何かが「犠牲」にならないと利他を実践できないと思っているからです。

集合知性を発揮する脳トレ研修

「集合知性」を発揮する「心をひとつにする関係性」は、共同体思考の脳の使い方をすることで生まれます。

このとき忘れてはならないのは、心をひとつにするような関係性を持つことは「個人の幸せに繫がる」という点。 心をひとつにできると、お互いに助けあったり、思いやりをかけあったりして、心が癒されるようになります。そして、みんなで困難を克服し、互いの夢を実現していくことができるのです。

最新の脳科学をベースにした【脳トレ研修】は、「共同体思考」の脳の使い方を身につける企業研修でもあるのです。

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